GUNMAの美味しい生活 2007.02.21
番外編 日本のワイン作り・勝沼ワイナリー
日本のワイン作りに感銘!!
私、リポーターのアヒルは、最近、東京のビストロやリーズナブルなレストランに「甲州ワイン」の名が誇り高く並んでいるのが、ずっと気になっていました。とても安いし、さっぱりとしたカジュアルフレンチや日本的なフレンチには合うと感じていました。
そして数年前から新潟の本格ワイナリー&レストラン「カーブ・ドッヂ」がお気に入りで、その広大な葡萄畑の素晴らしさ、2つの素晴らしいレストラン、天然酵母の薪窯焼きパンの美味しさ、地元のスローフードを生かしたジェラード専門店など、貴重な夏休みをそこで過ごすようになりました。葡萄の木のオーナー(ワインが年に2本送られて来ます!)にもなっているので、今年の秋は収穫も確かめに行きたいですし。
その後、群馬の「奥利根ワイナリー」を訪問して、オーナーの姿勢とワイン作りへの執念にとても感銘を受けました。プライベート感の高い個人ワイナリーですが、可愛らしいレストランもあって、搾りたてミルクから作るホワイトソースが秀逸です。「群馬でも素晴らしいワインが出来つつある!!」ということにちょっとした衝撃を味わいました。
そこで私の興味は、その元祖でもある山梨県・勝沼町への訪問へと、発展して行ったわけです。
勝沼のワインの歴史は古く、日本では新潟についで二番目にワイナリーが出来た場所で、120年を越えます。日本で初めてワインを飲んだのは、キリシタンを擁護していち早く欧州の文化を取り入れた、戦国時代の織田信長と言われていますが、江戸時代の鎖国が解かれ、一挙に欧州文化が流れ込んで日本の近代化が始まった明治時代が、勝沼ワイナリーそして日本のワイナリーの始まりです。
甲州は葡萄の生育に適した土地で、甲州種と呼ばれる葡萄の栽培の歴史が古く、その2次的な産業そして新しい時代への挑戦として「ワインを作ろう」という革命的な機運が高まったそうです。
たった2名の若者が町費でフランスに留学し、2年間、実際にワイン作りを体験し勉強しただけで、その技術の全てを勝沼に持ち帰ったということで、なんと大変なプロジェクトだったか、と偲ばれましたし、その2名の能力が時代を作った事に感銘を受けました。この時代、森鴎外(ドイツ)、夏目漱石(イギリス)、永井荷風(フランス)などたくさんの文人が渡欧して日本の近代文学を作っております。また美術の世界でも、主にフランスなどへの留学が日本の近代美術を作っております。それと同じ事が食文化にも有ったのだ・・・ということが不変の興味を引きまして、今後、さらに料理の歴史と文化の勉強をして行きたいと思うにいたりました。
さてこの2名の志しが脈々と引き継がれています。明治時代は日本のワイン作りの始まり、そして西洋食との出逢いであるわけですが、その当時の熱い気持ちを受け継ぐワイナリーが大小様々点在し、現在は四代目または新しい五代目当主が頑張っています。五代目当主は渡欧または渡米(カルフォルニアですね)して、新しい欧州種の葡萄を使ったワイン作りを勉強中の方もいます。
さて、甲州種の葡萄では糖度が足らず、やはり味に限りが有り、どうしてもさっぱりすっきりとした浅いワインに成りがちで、白ワインはともかく、熟成型の赤ワインには向かないそうです。そこで10年前から欧州種の葡萄(メルロー、カベルネソービニオンなど)が植えられ、それが育ってきているここ数年、やっと良い品質のワインが出来るようになりました。
今回、胃が壊れてもいい!!という覚悟で、かなりな量を試飲しましたが、特に白ワインには良質な物がありました。ただし甲州種の葡萄は熟成に向かないため、赤ワインはさっぱりとした酸味の強い物になりがちですし、葡萄摘みから出荷までの商業ぺースが早いこと、そして気温と湿度の問題、樽数が少ないこと・・・などから、樽熟成の行程をあまりとっておらず、深い濃いボディの赤ワインはたくさんは出来ないようでした。
但し、今後さらに欧州種葡萄がたくさん栽培されて育ってくれば状況は変わるのでは無いでしょうか。
日本で作られる、本物のスローフードとしての、ワイン。
スローフード精神の発展と、日本の食文化の未来が、どちらも楽しみです。
以下は勝沼のお奨めスポットです!! ぜひ皆さんも行ってみたらいかがですか?
丸藤葡萄酒工業梶@ http://www.rubaiyat.jp/
最も古いワイナリーの1つで、「ルバイヤート」という銘柄の良質なワインを売り出しています。素晴らしい蔵と、手作りながらも一部は近代化された工場で、見学者なども受け付けながら、ワインとその周囲文化そのものの啓蒙に努めていらっしゃいます。試飲コーナーでは直販もしていて、常に最高の状態でお奨めのワインが飲めます。国産ワインコンクールでは常に、大メーカーを退けて入賞しています。
またワインと同名の「ルバイヤート」というフレンチレストラン(ワインバー)を東京・神楽坂に経営していて、そこでは甲州ワインの販売もしています。
レストラン セバージュ http://www.comme-tu-veux.com/
ランチもディナーもたった2000円で食べられる、勝沼唯一のビストロレストランです。若いシェフ1名と、若いサービスマン1名。ワイン好きでビストロ好きで二人で頑張ってやってます・・・・みたいな、とても好感の持てる素晴らしい店でした。自宅を改造したような小さなフロアに約12席。かなり素晴らしい本格的なビストロメニューが、たっぷり本格前菜をチョイス、たっぷり本格メインをチョイス、シェフ手作りデザート、ドリンクで、満足満腹の2000円。グラスワインは500円〜600円。わすれられないレストランの1つになりそうです。
ワインズ新富屋 http://www.wines.co.jp/
甲府の駅前です。勝沼ワインはもちろん、世界のワインを大量に集めているマニアックな酒店で、すごいビンテージも眠っています。ほとんどワイン専門ですが、一部、日本酒、そして貴重なことに「葉巻」を売っています。オーナーは実際のワイン作りから販売までを知っていらっしゃる方で、ワインを会に行けば様々なお話しを聞くこともできるでしょう。自店主宰で、近隣レストランで「ワインの会」を催しているそうです。
皆 吉(郷土料理 ほうとう) http://www.minaki.jp/
古民家を再生した広い座敷のうどん屋さん。甲州名物である「ほうとう」は群馬の「おっきりこみ」に似ています。奥が深く、麺の美味しさは小麦粉の美味しさであり、それを最大限に引き出した麺でした。また味は、鳥・豚・野菜・キノコの4種有り、それぞれまったく違う「だし」が出ることから、味も印象も違いました。他に馬肉料理、鴨料理、地野菜の煮物などが有り、すべて本物のスローフードで、大変に美味しかったです。

